編集している音源の一部を公開します。

何の録音をどう編集しているのか忘備録的な日記帳。

フルトヴェングラーの第9・プリメロディア盤

2019年03月04日更新

Artists Wilhelm Furtwängler (Cond)
Tilla Briem (S)
Elisabeth Höngen (A)
Peter Anders (T)
Rudolf Watzke (Bs)
Bruno Kittel Choir
Berlin Philharmonic Orchestra
Comporser – Title
Beethoven – Symphony No.9 Op.125
Brahms – Variations on a Theme by Haydn Op.56
Label АккорД
Catalog / Matrix Д 010851 [ 33Д010851/2-1 ]
Д 010852 [ 33Д010852/2-1 ]
Д 010853 [ 33Д010853/2-3 ]
Д 010854 [ 33Д010854/2-1 ]
Recording 1942,1943 / Berlin / 33.1~33.5rpm,33.3rpm / A=438Hz,A=440Hz / 12inch

第9は1942年、ハイドンバリエーションは1943年、大戦中のマグネトフォン録音です。

超有名な録音です。板起こしはいくつもあるので、ちょっと変わった復刻をしてみました。

まずはイコライジングの問題から。楽章ごとに若干特性が異なります。

  • 第9の第一楽章と第三楽章は同じマイクかな、と思ったので同一EQ処理を。盤のコンディションか、一楽章は音が荒れます。三楽章はこの交響曲の中では一番状態が良いです。
  • 第9の第二楽章は冒頭ワウって劣化してますが、それ以外は特性悪くはない感じ。同じ面の一楽章とF特性が違うので別EQ処理します。
  • 第9の第四楽章は他の楽章に比べ高域がもっさりして、多めに高域を補います。トラッキングエラーによる内外周の高域特性差があるので、こちらも内周部分をいつもより強めに補正。
  • ハイドンバリエーションは素直な音なのであまり弄らず終われました。

第9がややこしい。全楽章で同じにEQをあてても面白い音にはなりません。各楽章をEQでコッテコテに作りこみ全体としてもばらつきがないよう均一化も図っています。

そしてピッチ。第9の第一~三楽章がA=438Hz、第四楽章前半がA=440Hz、第四楽章後半がA=435Hz、ハイドンバリエーションがA=440Hzでした。

第9のばらつきが気になりますので全部A=438Hzに合わせてみます。どこかで戦中ベルリンフィルはA=438Hzが正しいと聞きましたが結局信憑性はどうなったのか。

第四楽章をA=438Hzでピッタリ揃えてみました。

第四楽章のピッチが変わる部分というのが、10分30秒すこし前のゲネラルパウゼの部分で、要するにここでテープが切り替わっているのです。瞬間的にピッチが5Hz変わることはあり得ませんので、テープレコーダー由来の機械的な問題でしょうか。三楽章までが揃っていることから録音時のトラブルではない感じがします。

手持ちの音源を集計した中では、1940年代のベルリンフィルのマグネトフォン録音はA=440Hzが殆どでした。私個人はA=440Hzが正解だと思っていますが、後ろ盾になる根拠が欲しいところです。
第9のピッチを統一するため多数決的にA=438Hzにしたので、ハイドンバリエーションはA=440Hzのまま。第9もA=440Hzにしたら雰囲気が少し変わるかもしれません(正直2Hzの違いを判別できないと思いますが)

視聴音源は第9の第四楽章です。ガスト56で普通に再生して一番困るのがこの楽章で、とは言えここまで編集加工する人もいないと思います。

盤質は中の下、まぁもっと盤質良ければという気持ちはあります。高いので複数枚買う訳にもいかず。。

あと画像のスキャンし忘れてしまい、音源と違う面の画像を動画用に貼ってます(^^;)


ヨーゼフ・ヴォルフシュタールのHOMOCORD盤

2019年02月25日更新

編集は大体終わりました。

Artists Josef Wolfstahal (Vl)
Ilonka von Pathy (Pf)
Carl Stabernack (Org)
Comporser – Title
A1  Handel – Largo
B1  Bach-Gounod – Meditation
Label HOMOCORD
Catalog / Matrix B.8082 [ M50639 ]
B.8082 [ M50641 ]
Recording 1922 / Berlin / 81.2~79.3rpm / A=440Hz / 12inch

1922年録音、若くして亡くなったヴォルフシュタールというヴァイオリニストの録音です。

ヴォルフシュタールは、クレンペラーがクロールオペラで振っていた時期にコンマスをやっていた若手注目株のヴァイオリニストでした。

ヒンデミット・トリオとして、パウル・ヒンデミット、エマヌエル・フォイアマンと活動もしていました。ヴォルフシュタール亡き後にシモン・ゴールドベルクが後任になったと言えば、当時の立ち位置がイメージできるかもしれません。

ナチス政権発足前に若くして亡くなり、ユダヤ人であったのでドイツでは忘れられていた人だそうです。 戦前の日本ではモーツァルトやベートーヴェンの協奏曲セットが売られていて、 もしかしたら海外より認知があったかもしれません。

ヴォルフシュタールの録音数は多いそうですが復刻CDは協奏曲ものが2枚くらい出たくらいで勿体ないですね。

この音盤はアコースティック時代、回転数にむらがある録音で、内外周の差をそろえてみました。

A面のヘンデルのラルゴです。

聞いたところピッチが低いので試しに79.3rpmで出力すると、上の図のように最後でA=440Hzになっていました。 ピッチは時間毎に上がっています。録音時、ターンテーブルの回転が徐々に遅くなっていったパターンですね。

伴奏にピアノがあり、ピアノが3分間でこれだけ上がっていくことはあり得ませんので、そろえてみます。

オレンジ色の線がピッチの補正になります。最初の方はピッチをあげ、徐々に下げていきました。

まっすぐ揃いました!修正値からピッチと回転数をまとめてみます。

内外周差を無視する場合、80rpmくらいで再生するとよいかもしれません。 裏面のバッハも回転数は同じ傾向にありました。

録音から5年後の1927年のヒンデミット・トリオはA=435Hzだったという資料があります。
http://www.diva-portal.org/smash/get/diva2:1215149/FULLTEXT01.pdf
ただしピアノ・ヴァイオリンのデュオ場合は、ピアノにピッチが依存するので、HOMOCORDで収録したピアノのピッチが特定できなければ意味がないのですが。。

ヴァイオリンの解析部分を見るとヴォルフシュタールはピッチで表情付けをしています。 解析を通して奏者の個性がみえ、親近感が増しました。


メニューインとエネスコのバッハ・ヴァイオリン協奏曲第1番

2019年02月23日更新
編集は大体終わりました。

Artist Yehudi Menuhi (Vl)
Georges Enesco (Cond)
Orchestre Symphonique De Paris
Comporser – Title
Bach – Violin Concerto in A minor, BWV 1041
Label Disque Gramophone
Catalog / Matrix DB-2911 [ 2 LA 915, 2 LA 916 ]
DB-2912 [ 2 LA 917, 2 LA 918 ]
Recording 1937 / 78rpm / A=443Hz / 12inch

メニューインのヴァイオリン、エネスコ指揮によるバッハ。
ロマン派の影響があるバッハは大好物です。

数年前のダブルコンチェルトと比較すると、録音が良くなってピッチは440Hz→443Hzに少し上がっています。ただし、これが録音上の都合か、採用されていたピッチかはわかりません。この時期のHMVは曲によっては回転数を遅くとっていた可能性もあります。

ヴァイオリンの色気がよく出ています。そんなに広くない場所で録音したんでしょうか?音の塊が楽しく響きます。

フランス盤で、ニッパーちゃんがカラーなので戦前プレスだと思います。ノイズはそれなり。

音源は一枚目の第一面、第一楽章を。


エレナ・ベクマン=シチェルビナのピアノでロマン派楽曲集

2019年02月19日更新

尋常でない響きが聞けるレコードです。

Artist Yelena Bekman-Shcherbina (Pf)
Comporser – Title
A1  Alyabiev – Liszt– Le Rossignol (The Nightingale)
A2  Titov – Waltz in F minor
A3  Titov – Waltz in G major
A4  Titov – Waltz in E minor
A5  Glinka – Balakirev– Zhavoronok (The Lark – A Farewell to Saint Petersburg No.10)
A6  Arensky – Etude in F sharp major (from 24 Morceaux caracteristiques), Op.36 No.13
A7  Tchaikovsky – Scherzo Humoristique in D major, Op.19 No.2
A8  Balakirev – Au jardin Etude-idylle in D flat major
B1  Rubinstein – Waltz in A flat major, Op.14 No.4
B2  Rubinstein – Barcarolle in A minor, Op.93 No.3
B3  Rubinstein – Waltz in F major, Op.82 No.5
B4  Rachmaninov – Prelude in G major,Op.32 No.5
B5  Scriabin – Prelude in F sharp minor, Op.15 No.2
Label Всесоюзная Студия Грамзаписи
Catalog / Matrix Д 028617 [ 33Д028617/1-1 ]
Д 028618 [ 33Д028618/1-1 ]
Recording 1947-1950 / 33rpm / A=440Hz / 12inch

チャイコフスキーに称賛されたロシアのピアニストで、ルーツが革命前にある貴重な演奏家です。

ロマノフ王朝末期にどのような音が流れていたのか、この美音を聞くと、ああ、この音かもしれないなどと思いをはせています。

トリルは尋常でない美しさで、ペダルと左手の使い方がうまいのか、濁りらしきものがありません。
ピアノはプレイエル?こんな響きのピアノは存在するのでしょうか。

ちゃんとしたCDではメロディアから出たものが一枚あるだけで、メロディアのライブラリーからまとまってリリースされることを切に願っています。

情報がほとんどなく、何とかかき集めてディスコグラフィーを作っています。

Yelena Bekman-Shcherbina (1882-1951) – Discography

アップした音源はアリャビエフーリストの「ナイチンゲール」、グリンカーバラキレフの「ひばり」です。
二曲とも、原曲は歌曲で、ロマン派色の強い編曲がシチェルビナのピアノによく合います。
この二曲を愛好家の集まりで流したら、鳥ばかりだね、と笑われてしまいました。確かに(笑)

 

ピッチですが解析すると、A=440Hzでした。どうも1950年前後のロシアはこのピッチが多いようです。


エンマ・カルヴェのマスネ・アンシャントマン

2019年02月18日更新

編集は大体終わりました。

Artists Emma Calvé (Ms)
Landon Ronald (Pf)
Comporser – Title
Massenet – Enchantement!
Label GRAMOPHONE CONCERT RECORD
Catalog / Matrix G.C. -3283 [ 2060F ]
Recording 1902 / London / 77.7~76.2rpm / A=452Hz / 10inch

1902年録音、G&Tオリジナル盤です。少し前に譲ってもらいました。

さあ、内外周のピッチ差がある音源の復刻です。1902年のG&T社ロンドンスタジオはA=452Hzであるそうなので、内外周合わせました。

この作業が大変(^^;)


この曲はソプラノ・テノール用ではB♭だそうです。この楽譜をもとに、78rpm収録の音源を解析、冒頭がA=450Hzベースの解析でピッタリ合いました。そして、よく見ると後半ピッチが上がっています。お尻を解析するとA=458.7Hz相当であることがわかりました。2分くらいからははっきり上がってます。
こちらをA=452Hz相当にするにはどのように調整すればいいのか、ざっくり計算します。
解析をもとに内外周のピッチを修正した結果がこちら。

これで大体統一できていると思います。
さらっと画像にしましたが、ピッチ修正のトライ&エラーで2時間はかかっています(^^;)
黄色いラインがピッチ修正のカーブです。線が下がっている個所がピッチを落とした個所になります。マウスでぐりぐり書いて、解析、またぐりぐり修正、また解析、の繰り返し作業。

 

カルヴェの1902年の声はこんな感じだったのでしょうか?
内外周のピッチ差が統一できたので、この音源はA=452Hz以外のピッチでも簡単に合わせられるようになりました。
どんなトーンであったか、カルヴェのいろんな時期の録音を集めて、いつか検証をしてみたいです。

この1902年に録音したカルメンが欲しくてたまらないのですが、少し前に手に入れられるかもしれないチャンスは金欠で諦めざるを得なく、悲しい思いをしました。

いつか機会があればカルメンをやってみたいです。


アデリーナ・パッティのホームスィートホーム

2019年02月12日更新

現在編集中。

Artists Adelina Patti (S)
Landon Ronald (Pf)
Comporser – Title
Bishop – Homd Sweet Home
Label Victor
Catalog / Matrix 95029 (03053) [ 539f2 ]
Recording 1905 / London / 75.1rpm / A=452Hz / 12inch

1905年録音、米VIctorによる復刻版です。

ピッチが大変です。1905年当時のロンドンではA=440Hzはほとんど使われていませんでした。ある資料によると当音源はA=452Hzであるそうです。本当かいな、ということで測定し調整しました。

78rpm再生ではA=469.5Hzほどであったので、回転数を約75.1rpmに下げ、A=452Hzに設定。

聞いてみると、これでいいように思います。いかがでしょうか。

ピッチは内外周のむらなく、素直に復刻できました。声が芯から入っていて、しびれます。それにやはり歌が非常にうまいのです。


ハンス・クナッパーツブッシュとベルリン・フィルでブラームスの交響曲第三番

2019年02月06日更新

現在編集中。

Artists Hans Knappertsbusch (Cond)
Berlin Pilharmonic Orchestra
Comporser – Title
Brahms – Symphony No. 3 in F major, Op.90
Label АккорД
Catalog / Matrix Д 06429 [ Д06429/2-1 ]
Д 06430 [ Д06430/2-2 ]
Recording 1944 / Berlin / 33rpm / A=440Hz / 12inch

ドイツの戦中録音で、ソ連軍押収テープです。

残念なことにビニールの付着でA面が化学反応を起こしひどいノイズが出る状態だったので、収録はB面のみです。

第三楽章と第四楽章のEQ変えてます。第四楽章の方が金管がピーキーになりますので、そろえています。ほか、簡単なノイズ除去。

A面の盤質は大外れでした。ショックです(;^_^A
ガスト61くらいであればマトリクスは同じなので、もう少しお安い盤でよかったか。


ワルター・ギーゼキングでシューマンのクライスレリアーナ

大体調整終わりました。

Artist Walter Gieseking (Pf)
Comporser – Title
Schumann – Kreisleriana Op.16
Label Апрелевский Заво
Catalog / Matrix Д 6023 [ Д6023/1-1 ]
Д 6024 [ Д6024/1-1 ]
Recording 1942(?) / 33rpm / A=437-434Hz / 10inch

ドイツの戦中録音で、ソ連軍押収テープです。演奏は狂気をはらんでいます。

特性合わせるためB面の方は少しEQの高域持ち上げました。ほか、簡単なノイズ除去。

ピアノの音が非常によく入ってます。ピッチは少し低いようで、最後らへんでさらに下がります。

音源は前半部分を。