レコードからのピッチ解析

レコードからピッチを解析してみる試み。
テープの走行スピード、レコードの回転数ともに正確な数値でない場合が多いようです。どこまで客観的資料として使えそうか検証してみたいと思います。

【測定方法】
①78.0rpmまたは33.3rpmで録音(メーターでコンマ1まで測定済み)
②440Hzベースのピッチ解析ツールで音源を解析し、440Hzからのずれを検出
③解析をもとにリサンプリングによって強制的に440Hzに合わせていく
④何%操作して440Hzになったかで逆算し、ピッチを特定

ピッチ解析ツールにMelodyne、ピッチ修正ツールにSamplitudeを使いました。Melodyneは和音も分解してくれる優秀なツールです。

*アコースティック録音はそもそも内外周の回転数が安定してないので除外。
2018/11/20更新

パリ

■1933-06-21
– Orchestre symphonique de Paris
– 440.5Hz(78.0rpm) –

Bach – Concerto for 2 Violins in D minor, BWV 1043
・Pierre Monteux (conductor)
・Georges Enesco (Violin)
・Yehudi Menuhin (Violin)
HMV:DB2003/DB2004
78.0rpm収録 – 77.9rpm時に440Hzに近く、逆算すると78/77.9*440=440.5Hz
画像は77.9rpm時

mov1 mov2 mov3

コメント:メニューインとエネスコはD5,E5,F5を少し上げて弾いているようです。

パリのピッチについて
1783 A=409 Paris. Fork used by Taskin, Paris court tuner
1829 A=425.5 Paris. Pitch of the piano at the Opera
1829 A=434Hz Paris. Opera
1836 A=441 Paris. Opera pianos
1855 A=449Hz Paris. Opera
1859 A=435.4 Paris. The French Commission Diapason Normal
http://www.larrykrantz.com/faqindx2.htm
http://reprints.longform.org/pitch-battles
20世紀初頭までは435Hzが普及していたようです。

ベルリン

ベルリンフィルのピッチ解析一覧

◆ 78rpm、戦前スタジオ録音
1926年 437.0-446.8Hz フルトヴェングラーの運命(Grammophone)
・バラバラ。ターンテーブルを重しで回転させていた時代だそうなので、内外周も安定してないです。
1930年 435.5Hz フルトヴェングラーのラコッツィー行進曲(Polydor)
1930年 438.9-440Hz フルトヴェングラーのローエングリン第一幕前奏曲(Polydor)
・A面後半からピッチダウン
1930年 438.9Hz フルトヴェングラーのティル(Polydor)
1930年 437.5Hz フルトヴェングラーのどろぼうかささぎ序曲(Polydor)
1932年 443.4Hz クレツキ、クーレンカンプのベートーヴェン・ロマンス(TELEFUNKEN)
1933年 437.7Hz フルトヴェングラーの後宮からの逃走序曲(Polydor)
1933年 436.6Hz フルトヴェングラーのフィガロ序曲(Polydor)
1933年 437.7Hz フルトヴェングラーのエグモント序曲(Polydor)
1941年 442.7Hz クナッパーツブッシュのバーデン娘(TELEFUNKEN)

– コメント:
内周ぎりぎりまでカッティングされている78rpm盤の中には意図的に回転数を落とし、時間を長めに録音していたものもあるようです。その場合、78rpmで再生するとピッチは高くなります。

◆ マグネトフォン収録の戦中フルトヴェングラー、33.3rpm
1942年 435.2Hz ベートーヴェン・第9(Аккорд)
1942年 440.0Hz シューベルト・グレイト(Melodiya)
1942年 440.0Hz ブラームス・P協2番(Аккорд)
1943年 438.9Hz ベートーヴェン・4番(Аккорд)
1943年 440.0Hz ベートーヴェン・運命(Аккорд)
1943年 448.3Hz ブラームス・4番(Аккорд)
・レコードのカッティング時にトラブルがあった模様。おそらく元テープにないノイズが入ってます。ピッチが高い原因かも?

◆ マグネトフォン収録の戦後ライブ、33rpm
1947年 446Hz フルトヴェングラー復帰三日目の運命(Eterna)
・実演より高いと思います。DG再発盤のCDではしれっと落としていた気が。。

◆ 戦後スタジオ録音、33rpm
1953年 444Hz ケンペン・ベートーヴェン7番(Philips)

数が集まると何か見えてくるかもしれません。一年ごとに10枚くらいやれば信頼性も出てくると思います。手持ちの残りはブルーノ・キッテルのベートーヴェン・ミサソレムニス、ヴォルフシュタールとグルリットのベートーヴェンV協奏曲やメロディアからのマグネットフォン音源、DG録音やRIAS録音がいくつか。
ぼちぼち更新していきます。

ウィーン

ロンドン

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