割れてしまったSP盤の補修と復刻

先日、アデリーナ・パッティやマリア・バリエントスのレコードをまとめて譲っていただくことになり、アコースティック時代のSP盤に手を出す決意を固めました。この時代の録音は再生するのが大変で、気合がいります(^_^;

アコースティック時代の復刻第一弾として、おまけで付けてらったクラックのあるFonotipia盤の補修と復刻を行ってみます。

(修理済みはこんな感じに)

修理用の道具です。
■ ビニールテープ (接着面がこびりつきにくいもの)
コクヨ 瞬間接着剤 RED TECH(液体タイプなら何でもよいと思います)
かくれん棒 ブラック
■ 割りばし
メラミンスポンジ
を使いました。

盤は亀裂が二か所あり、盤の最外周の方はヒビではなく断裂している状態です。内周の、レーベル面外側までクラックがある状態でした。
亀裂付近もシェラックがはがれていたので”かくれん棒”で傷ごと埋めちゃいます。

1) 片面をビニールテープで仮止めし、接着作業

テーピングでガチガチに固定し、最外周の接着する部分を下に向けて傷口に接着剤を挿しました。こうすると溝に流れないと思います。
固定するものがなかったので、接着剤が乾くまで手で持ちながら待機。。。
外周が固まった後、内周にも接着剤をヘラで伸ばしながら重ねます。こちらも溝に侵入しないように気を付けます。
通常、針は上りの断面よりも下がりの断面の方が音飛びしにくいと思ったので亀裂から見て左手側をわずかに上げました。
(指でこすって段差を感じない状態ならそれがベストかも)

2) かくれん棒を亀裂部分に塗る

結構塗りたくりました。後で除去するので手加減なしで盛っておきます。

3) 溝の凹凸を付けた割りばしで不要なかくれん棒を除去

クラックのない部分に割りばしを当てて、割りばしに凹凸を付けます。
凹凸のついた割りばしを亀裂部分へ針の走行と同じ向きでこすり、不要なかくれん棒を除去しました。
この辺は
http://www1.pbc.ne.jp/users/hmv78rpm/page164.html
こちらのホームページを参考にしてます。

そのあと、洗浄液とメラミンスポンジで表面を洗い、再生したら音飛びなくトレースできました!

亀裂部分はきついパツ音が入るかと思いきや、「トタントタン」と鈍く音で、ノイズリダクションが効かないタイプでした。
とにかく復活できてよかった!

Artists Maria Barrientos (soprano)
Comporser Vincenzo Bellini
Title LA SONNAMBULA – “Sovra il la man mi pasa”
Label Fonotipia
Catalog 39458
Matrix XPh 1609
Notes lm.a s(間違ってるかも)
Maria Barrientos
MADE FOR FONOTIPIA COMPANIES
Recording 1906

Artists Maria Barrientos (soprano)
Comporser Vincenzo Bellini
Title LA SONNAMBULA – “Come per me sereno”
Label Fonotipia
Catalog 39457
Matrix XPh 1608
Notes BZ
Maria Barrientos
MADE FOR FONOTIPIA COMPANIES
Recording 1906

復刻環境

AD/DA RME ADI-2 Pro
Player CosmoTechno DJ-4500(改造)
Cartridge Denon DL-102SD
MicPreAmp BEHRINGER MIC2200 Ultragain Pro(改造)
DAW Magix Samplitude Pro X3
Recording Format PCM 32bit float / 384kHz

Melodyneによるポリフォニック解析(ピッチ解析)

Fonotipia [39458] – 79.7rpm

Fonotipia [39457] – 79.5rpm


両方、84rpmか迷いましたが、多分79rpmじゃないかと。。


復刻について

ベースになるEQ処理

赤い線がカーブ、緑がF特性、黄色がもとのF特性。

フラット収録なのでEQを当てます。
DL-102SDの特性なのか少し高域が持ち上がってるのでカット。50kHz以上の変なうねりは機材由来のもので合わせて対処。
このFFTアナライザーなら200kHz近くまで調整できます。
ピッチ以外は両面に同じ処理をしています。


内外周の補正

外周と内周差の高域特性を揃えます。外周から内周に向けて、イコライザーカーブを時間軸で変化させます。
今回の盤は尺が短かったので大きな差は感じませんでした。
したがって軽めで。


ノイズリダクション

ガッツリ消すつもりでしたが、あまり効果が無く残念。
手間ですが、Decrackerの後にDeclickerを通すと奇麗に取れます。


最後にちょこっとEQ

最後に音を揃えて完成。耳で聞いていて、8kHzあたりから上はあまり入ってない感じがしました。

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